2016年11月07日
社会・生活
企画室
小笹 泰
オフィスが東京駅前にあるため、ランチタイムは丸の内・大手町界隈へ繰り出すことが多い。バブル時代に喧伝されたこのエリアの「マンハッタン化」は紆余曲折あったものの、現実のものとなり、高層ビルが林立するコンクリート製ジャングルが誕生した。
だが、それでもまだ足りないらしい。いつもどこかでビルの建設や解体の工事が行われている。日本の玄関口のオフィス需要は依然として旺盛であり、4年後の東京五輪がそれに拍車を掛けている。この街は眠ることを知らず、変化の次にまた変化がやって来る。
地上だけではない。地下でも大規模なリニューアル工事が続けられている。まるで迷路のように張りめぐらされた連絡通路は、工事によってさらに複雑になった。関西から上京する友人たちは地下鉄の乗り換えに苦労するから、「なんやねん、この乗り換え!」と厳しい非難を口にする。確かに、地下道が右へ左へと続くだけでなく、何度も階段を上り下りしなければ目的地にたどり着けない。
古いものが次々に壊され、新しいものがどんどん生まれていく。そうしなければ、丸の内・大手町でさえグローバルな都市間競争で負け組に転落するからだろう。この街からはそんな緊張感も伝わってくる。それに比べると、自分が変化するスピードは...。今年も残り2ヶ月を切ってしまった。
東京・大手町二丁目地区の工事の様子
(撮影) 筆者 RICOH GR 使用
小笹 泰